"HELLS DEPT.CITY" Original Story Written by Ryuma Izuha & more

STORY 2 <CONTENTS-2
不気味で激しく空に吸いこまれるような風がやみ、
突然、空気が重くなる。
急激な気圧の変化にルーフやボンネットが耐えられず、
音を立て変形する。
やがて聞いたこともないような轟音と共に重く真っ黒なオイルの雨がボタボタと降り出した、・・・。叩きつけるような感覚と、潤されていく身体・・・。それぞれのボディーに叩きつけられるそのサウンドはデスメタルのようでもあった。
機械の身体を得たオレにとって初めての感覚・・・。この雨が降っている間だけオレはすべての苦痛から解放され自由になった。ジーザス・・・。
フラットベッドの言葉が気になった・・・。
この潤いと癒しの中でオレはしばらく動くことが出来なかった・・・。
しかし、オレは立ち上がり、責任を果たそうと、ヌルヌルとした身体に力を入れた。
「まだだ、サイクロプス。もう少し待つんだ。」
「ヤツらの息の根を止めるにはこの雨が止む直前に決着を付けるんだ。しばらくはこの雨を楽しむんだな。」長老ミスター・デリヘル・ジャンボリーがオレを制止した。

今もがいてもオレには何もできそうにもない・・・。
この街のルールに従うしかなさそうだ。
「一日中降り続けるこのオイルの雨はやがて酸の雨に変わる。その直前に奴らを叩き、勝利を得たものは避難するんだ。おれたちはいつもそうしてきた。酸の雨が降り出したその光景は壮絶だ。覚悟しておくんだな。
錆が落とされた体に降り注ぐ酸の雨。この雨はジーザスの無念の現れなんだ。」
「いつも?」
「それでこの街はこんなに荒れ果てていたのか・・・。」
だが、オレはこの街を生き抜いてきたこいつらに感服した。
まだ人だった頃の記憶がうっすらと残るオレの頭の中で何かが動いた感覚がした・・。何か大切なことを思い出した気がした。
この暖かい滑らかなオイルに包まれて・・・。
・・・人だった頃の記憶って何だ??
混乱しながらもオレは続けた。
「なぜ、そんなことを繰り返すんだ?それじゃぁ、結局みんな傷つき、やがて誰もいなくなるだろ。それじゃぁ、ヤツらがやってきたことと変わらねぇじゃねぇか。」

「ヤツら?」「何を言い出すんだサイクロプス。お前は一体何のことを言ってるんだ?」
「ヤツら?」その言葉にはオレも戸惑った。
それは、あきらかにバイオ団のことを指してはいなかった。
記憶の限りを絞ってあのカプセルの中でオレの頭に刻まれた記憶のことを思い出そうとしたとき、オレの身体はさらに優しく包まれ、意識は何者かによって空へと吸い上げられていった・・・。抵抗を試みたがその力は柔らかく優しく力強く、これまでどんな痛みにも耐えてきたオレだったが、この力の優しさには抵抗出来なかった・・・。まるで街全体を包み込める程の大きな翼が生えたような感覚。やがてオレの意識は大きな光に包まれた・・・。
意識を失ってはいない。・・・自分がどこで何をしているのかも分かっている・・・。フラットベッドがおれの身体を揺する・・・。仲間が集まってくる・・・。叩くような感覚だったオイルの雨すら、空から羽毛が降り積もるような感覚に変わっていた・・・。オレはフラットベッドに横たわされたが、ゆっくりともがいている・・・。その感覚がさらにオレをくすぐる・・・。みんなの動きも音もさらにソフトになっていった・・・。
みんなの身体に降り注ぐ真っ黒なオイル。hells dept. cityに暮らすやつらのボディーが黒いのはこのオイルのせいだった・・・。
いにしえの時代、人々が、暮らしのために地中から掘り出していたオイルが今では大気中に漂うまでに汚れたこの星・・・。街の至る所で炎があがり、ススとなってさらにボディーを黒くする。ミスターの言った「ジーザス・ダイ・クライング・13」はこの街を洗い流しているのか?
それとも・・・。
 

STORY 1<Prologue> | CONTENTS-1 | CONTENTS-2 | CONTENTS-3 |

STORY 2<Prolouge> | CONTENTS-1 | CONTENTS-2 | CONTENTS-3 |

HELLS DEPT. CITY ORIGINAL STORY EPILOGUE

Hells Dept.® associated trademarks and
web contents and all picture are owned by, and used with permission from, Hells Dept.
This site was established in 2010
Hells Dept. ® and associated trademarks and trade dress are owned by,
and used with permission from, Hells Dept. ©2010 Hells Dept. All Rights Reserved
.